African Column

アフリカン・コラム 11月号「カバ」と「チーター」

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「カバ」と「チーター」

 時々私たちは、アフリカがどれほど若いか忘れてしまう。もちろん文明としてとしてではないし、国家としてでもない。今月注目するのは人口構造だ。

 アフリカ大陸全体の平均年齢はなんと19歳。サハラ以南のアフリカでは30歳未満が71%。日本の平均年齢は46.5歳で30歳未満の人口は27.6%にとどまる。日本と比べればアフリカの若さは一目瞭然で、6億人近15歳から24歳の若者潜在的なエネルギーを持つ未開発資源に他ならない。これは一昔前に中国やインドが言われていたことを彷彿させるし、アフリカは未来のあるワクワクした大陸だと思う。

 しかしこのような若い国家とは思えないほどに権力の座にいる国の代表たちは年老いている。これはアフリカの世代間断絶を簡単に実感できるいい例だ。国民の平均年齢と首脳の平均年齢の差は世界一大きく開きは43歳アフリカの階級社会には「若者は年長者に従い、自分の番まで待つべきだ」という風潮がある。「カバ世代」と呼ばれる長老たちはポストをどかず、彼らが世をさった後にも影響を及ぼす国の方針決定から若者世代が排除されている。2010年にILOは世界の若者の失業率が過去最悪を更新したと報告した。若者がキャリアを選ぶ手助けをするような組織は少ない。この10年のアフリカのGDP成長率は喜ぶべきだが、未来を担う若者はその恩恵を受けられていない。かつて東アフリカで最も優秀と言われたマケレレ大学の理学士号を取ったとしても、アフリカでは履歴書を持って見知らぬ人に雇い口はないかと尋ね歩かなければならない現状がある。これでは毎年220万人が就労年齢に達する若い世代が不満を抱えるのも当然だ

 こうしてサハラ以南の若者の大勢が、職業難民となり「待ち期」にある。自分がそうなることを想像してみてほしい。ある人類学者はこれを一種の苦行だと表現するほど、失業は人生のどの時期に経験しても辛い。特にキャリアの一番最初に直面するとダメージがさらに深刻だILOによると「これは経済的市民権を否定されるに等しく、絶望と怒りの源となるそうだ。

 今後10年のアフリカにおいて、未来のアフリカを動かす若者の潜在的エネルギーをどう活用するのかが最重要課題と言えるだろう。彼らの草の根でのリーダーシップの模範になる存在の育成は必要不可欠だまた、アフリカは起業家の天国だとも言われる。アフリカにいれば何かの最前線に立てるからだ。若い「チーター世代」が母国に戻ってくるか、雇用を生み出す仕組みはできるか、今後注目したいところだ

参考文献 

「11億人のエネルギーと創造性 アフリカ希望の大陸」ダヨ・オロパディ著 松本祐 訳

「子供たちの生きるアフリカ 伝統と開発がせめぎ合う大地で」清水貴夫・亀井伸孝編

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