African Column

アフリカンコラム 6月号 日本の伝統文化とアフリカのつながり

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日本の伝統文化とアフリカのつながり

 こんにちは。上智大学2年の古山莉子です。
今月のコラムでは、「日本の伝統文化とアフリカのつながり」をタイトルに、象牙についてご紹介したいと思います。
ところで、皆さん“マルミミゾウ”をご存知でしょうか?アフリカの動物といえば、キリン、ライオン、アフリカゾウを想像される方が多く、あまり耳にしない名前ですよね。私も、今回初めて名前を聞きました、、、
マルミミゾウは、サバンナに生息しており、アフリカゾウより小柄で、体にやや赤みがあるのが特徴です。

このマルミミゾウの象牙が、日本人が必要としている象牙なのです。と言うのも、日本の象牙業界では象牙は、「ハード材」と「ソフト材」に分類されており、前者は文字通り比較的硬く、後者は比較的柔らかいとされています。そして、日本の象牙業界では潜在的に「ハード材」を求めており、その「ハード材」の象牙を持つのがマルミミゾウなのです。

 前置きが少し長くなりましたが、ここから本題の日本とのつながりについて考えてみましょう。
 日本の象牙の歴史は古く、奈良時代にまで遡ることができます。しかし、大衆にまで象牙製品が伝わったのは近年になってからだと言われています。日本で象牙が使用される代表的なものは、印章と三味線の撥です。印章業界では、ワシントン条約で取引の許可されたサバンナゾウ由来の「ソフト材」が使用されるようになりました。その上、近年高価な象牙の需要は下降し、水牛の角、合成樹脂、チタンなど別の素材を印章に使用する傾向があります。しかしながら、三味線の撥では、依然として「ハード材」の需要が高く、今日に至るまで長い間変わることはなさそうです。


        
 このマルミミゾウの象牙が、日本に密輸されているという確かな情報はありませんが、アフリカ熱帯林の当地政府のパトロール隊の多大な努力がある中、熱帯林の現場では密漁や違法取引が続いています。その理由は、象牙が非常に高値で取引されることにあります。コンゴ民主共和国の北部の現地では、1本18kgの重さのある象牙が左右2本、つまり36kgの象牙の取引価格は、パトロール隊1人の3ヶ月分の給料に相当するそうです。アフリカ熱帯地域で、象牙の需要がほとんどないことを考慮すると、国際的な需要とそれに見合った経済価値があることは確かであり、日本もそれに関わっている可能性がないとは断言できない現状を知っておくべきですね。

参考文献:西村智昭(2018)『コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から』現代書館

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