African Column

アフリカンコラム 3月 意外と知らないボツワナ

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ボツワナ。なんとなく名前だけ聞いたことがあるという方もいるかもしれませんね。このコラムを書いている筆者も実をいうと調べる前は国立公園がある自然が豊かな国というイメージしか持っていませんでした…。アフリカには54の国があり、それぞれ国や地域ごとに言語、文化も違うのですが、一つ一つの国にクローズアップしてみる機会は少ないのではないのでしょうか。今月のコラムでは、意外と知られていないボツワナの一面を紹介出来たらなと思います。またこの国を取り上げるきっかけとなった面白い文化もコラムの後半で触れていきます!

1 まずどんな国?
最初は少しまじめな話題を。
200万人ほどの人口を抱え、南アフリカ、ジンバブエ、ナミビア、ザンビアに囲まれた内陸国のボツワナ共和国。実は政治の安定性等においてはアフリカの中でもトップクラスで、汚職やガバナンスの問題が指摘されるアフリカ諸国の中では別格の評価を世界から受けていることをご存知でしょうか??その実情を示すものとして、世界銀行が発表する世界ガバナンス指標(WGI: World Governance Indicator)において「政治的安定性・暴力/テロの不在」「汚職の抑制」の2つのカテゴリーでは先進国並の評価を受けています。1966年にイギリスの保護領から独立し、当時は貧困にあえいでいた国家がここまで発展できた理由はいったい何なのでしょう。

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首都ハボロネの様子

2 成長のカギは?
その要因の一つは、ボツワナに古くから存在する「コトラ」と呼ばれる部族伝統の議会制度の存在です。村の「全員」に発言権が与えられ、「全員」の意見が検討されるこの制度が建国の第一世代から根強く残っており、広く協議を行って合意を探る現在のボツワナの政治体制につながっているといいます。また、独立以来内戦を経験しておらず、多党制民主主義のもとで国の政治が進められてきたことも良い統治が行えている理由の一つです。もし一党独裁であれば、その党の政策に国民が従うほかありませんが、複数の政党があることで競争が生まれ、より良い政策が生まれやすくなります。

3 豊富な資源

ジュワネン鉱山

ジュワネン鉱山

上記の理由以外でボツワナが発展できたもう一つの大きな理由が「ダイヤモンド」です。
独立後にダイヤモンド鉱山が発見されて以来、宝飾用のダイヤモンドが採掘されるようになり、主要産業として国を支え続けています。データとして、現在もダイヤモンドが中心となる鉱業部門がGDPの24%を占めており、ボツワナにとっていかにこの資源が重要か分かります。また、「ダイヤモンドは永遠の輝き―A Diamond is Forever」という広告のキャッチコピーを皆さんはご存知でしょうか。1990年代を中心に流行したこのキャッチコピーはデアビス社という会社のものなのですが、そのデアビス社の取引するダイヤモンドは、ボツワナ内のジュワネン鉱山やオラパ鉱山のものが中心となっています。ちなみに日本は世界でアメリカに次ぐ2番目のダイヤモンド市場と呼ばれており、ボツワナのダイヤモンドが日本に入ってくることは決して珍しいことではありません。今度宝石店などに行く機会があれば(あまり頻繁にいく人はいないと思いますが…)生産国をチェックしてみるとボツワナを発見できるかもしれませんね。

4 ちょっと息抜き

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ボツワナの内情や産業に一通り触れたところで、今度は少し日本と似てしまっている(?)ボツワナの文化について紹介したいと思います。それは「人名」です。日本では通称「キラキラネーム」と呼ばれる珍名、読むのが難しい名前が存在していますが、ボツワナにはそれに勝るとも劣らないパンチの効いた名前が存在します。例えば、

Modimoofile さん→『神は与えた』さん
Modimoothataさん→『神は強い』さん

など、センテンス(文)がそのまま名前になっています。上にあげた名前はクリスチャン要素を含んでおり、まだ理由がわかるような気がしますが、その他には

Gakerategさん→『私は愛されず、望まれず、好まれない』さん
Keatlhotsweさん→『私は判断されたか、または宣告された』さん
Olebetseさん→『彼は忘れた』さん
Kesotlegileさん→『私は苦しんだ』さん
Gabaikanngweさん→『それらは信頼されない』さん
Ketlogetsweさん→『私は置いていかれたか、または、私は捨てられた』さん
など、なんでその名前を付けたのか日本人からすればわからないような名前もあります。

この個性的な名前が生まれるのには理由があります。上の6つはシングル―マザーの子供の名前に多く、自分が夫に捨てられ、やり場のない怒りや悲しみを子供の名前として発散させるようです…。日本ではまず見られない名前ですが、ボツワナでは文化の一つとして認められているところも面白いですね!

今回のコラムでは、ボツワナの国の内情と文化について少しではありますが紹介させていただきました。これをきっかけに少しでもアフリカに興味を持っていただけたら嬉しいです!それでは次回のコラムもお楽しみに!

参考文献
在ボツワナ日本大使館HP http://www.botswana.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
新興国マクロ経済WATCH『ボツワナは 小さくてもキラリと輝く国 ―その輝きは永遠かー』古高輝顕(2016年)
『遠いアフリカのボツワナから』ITUジャーナル(2014年2月号)
『南部アフリカの民主後の課題』アジア経済研究所(1997年)
『IT CAN ONLY HAPPEN IN BOTSWANA: MY NAME IS A SENTENCE!』sundaystandard(2012年4月19日) http://www.sundaystandard.info/it-can-only-happen-botswana-my-name-sentence

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