African Column

アフリカンコラム 1月   アフリカと中国の関係

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こんにちは!東大1年の西口です。
記念すべき2018年第一弾のアフリカンコラム!ということで、今回私が選んだテーマは…
「アフリカと中国の関係」です。
なぜ中国??と疑問に感じた人もいるかもしれませんが、実は中国は、“新植民地主義”と揶揄されることもあるほど、アフリカに注目し進出しています。

アフリカンコラム 図1

中国とアフリカの貿易額の推移

①アフリカにおける中国の進出
近年順調に経済成長を続け、人口が多く資源も豊富なアフリカ。市場として魅力的なアフリカに進出しているのは、もちろん中国だけではありません。欧米諸国、インド、韓国…日本もまた然りです。ではなぜ中国に注目する必要があるかというと、長らく支援を行ってきた欧米諸国や日本の権益を損ねる勢いで、近年中国が急激にアフリカでの存在感を増しているからです。中国がアフリカに進出しているのは、資源や中国製品の市場確保、国際社会における影響力向上のためと言われています。政治経済状態が流動的であるアフリカは、中国にとって格好の対象でした。猛烈な勢いでアフリカに進出している中国は、2008年に米国を抜いてアフリカ最大の貿易相手国となっています。中国の対アフリカ投資額も急増しています(グラフ参照)。中国がアフリカを重視し、アフリカと関係を築いていく傾向は今後もしばらくは続くでしょう。

②アフリカ側のメリット
中国の様々な援助や投資を、アフリカ側は積極的に受け入れてきました。中国の投資の一体何が、アフリカにとって魅力的だったのでしょうか?中国の投資は、支援額が桁違いに大きいこと、政府主導のため対応が迅速なことに特徴があります。こうした点が、経済成長を一刻も早く達成したいアフリカにとって利点となり、中国の支援を受けてインフラ整備などを進めるアフリカ諸国が急増したのです。アフリカが、民主化を進めようとする欧米諸国の援助を内政干渉として批判的に捉える一方、イデオロギーに縛られず、インフラ開発といった、目に見える形での大規模プロジェクトを提案する中国を友好的に受け入れた、という側面も無視できません。また、自国に友好的な次世代エリートを育成するため、中国はアフリカ人留学生への奨学金支給も重視してきました。経済的に貧しいことが多いアフリカの学生にとって、経済成長著しい大国で安価に高等教育を受けるメリットは非常に大きいです。中国のアフリカ人留学生の数は約5万人(2015年)に上り、現在中国はフランスに次ぐ人気留学先になっています。

アフリカンコラム 図2

FOCAC(中国アフリカ協力フォーラム)ヨハネスブルク・サミットの開会式で挨拶を交わす習近平国家主席と南ア・ズマ大統領

③新植民地主義が引き起こした問題
中国の援助はアフリカの成長に貢献したという見方は確かに可能であり、中国に友好的な政府があるのは事実です。しかし最近、現地の労働者を使わず、見た目ばかり立派な“ハコモノ”をつくるだけの中国のやり方は、本当にアフリカの人々のためになっているのか、と疑問視されています。ここに、中国の対アフリカ政策が“新植民地主義”と批判される所以があります。アフリカの中国移民は、新天地で一旗揚げようといわば一攫千金を狙ってやってくる貧困層が多いと言われています。独自の中国人コミュニティを作り、現地住民の雇用機会を奪ったり、地元の零細ビジネスを圧迫したりする彼らに反発するアフリカ人は増えています。見逃せないのは現地の子供たちを使った商売で、多くの子供たちがコピー商品の販売といった違法ビジネスに利用されています。また中国企業が手掛けたインフラ整備は、事前調査や環境への配慮、メンテナンスに不備があり、安全上の問題を抱えるケースが多く、地域住民の生活レベル向上に貢献するどころか、住民の生命を危険に晒しているという指摘もあります。

アフリカンコラム 図3

完成を目前に崩落した、中国企業が手掛けたシギリ橋(ケニア)

④新たなパートナーを求めて
中国の新植民地主義による様々な弊害が顕在化するなか、アフリカの人々の反中感情は悪化し、中国人を狙ったデモや犯罪が増え、2013年に約100万人いた中国人移民が大量に引き上げ始めています。民間レベルでの軋轢を受けて中国企業の進出を規制する政府もあり、アフリカ内部での中国への反発が強まっていると言えます。アフリカの人々の間で、このまま中国からの援助を受け続けて、果たして真の国益を得られるのか、とこれまでの政策を見直す風潮が高まっているのです。アフリカにとって、経済成長を達成する上での真のパートナー探しは独立から一貫したテーマでした。アフリカは、中国に代わるパートナーを見つけなければならないという、新たな局面を迎えているのです。

アフリカンコラム 図4

TICAD VI(第6回アフリカ開発会議)

アフリカと中国の関係については、ニュースなどで目にすることはあまりないかもしれません。しかし、アフリカにおける中国の動向は、日中外交問題や日本の対アフリカ政策に及ぼす影響が大きく、日本にも大いに関係があると言えます。
ところで、日本がアフリカの新たなパートナーとなる可能性はあるのでしょうか?資源はないが高い技術力を持つ日本は、資源の豊富なアフリカの良きパートナーになるポテンシャルを持っていると考えることもできます。アフリカと日本がお互いをパートナーとすることに利益を見出し、ウィンウィンな関係を築いていけることを願っています!

参考文献
・ムウェテ・ムルアカ (2015) 『中国が喰いモノにするアフリカを日本が救う 200兆円市場のラストフロンティアで儲ける』講談社+α新書.
・青木一能 (2011) 『これがアフリカの全貌だ 貧しい国が一転、豊かな国へ!』 かんき出版.
・Diamond online (2017)「中国人が蜜月関係だったアフリカから続々帰国している理由」
〈http://diamond.jp/articles/-/151353〉2018年1月30日DL
・JETROアジア経済研究所 (2009) 「アフリカにおける中国―戦略的な概観(China in Africa)」 〈www.ide.go.jp/Japanese/Data/Africa_file/Manualreport/cia.html〉 2018年1月31日DL

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