2017年10月28日(土) タンザニア研修勉強会  MPJ理事長鈴木りえこ氏ご講演&第一回個人研究発表

第5回事前勉強会 ~MPJ理事長 鈴木りえこ氏 ご講演&個人研究発表~

徐々に冬の足音が近づいているのをひしひしと感じる昨今です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
本日の執筆者は東大工学部4年三浦健が担当いたします。
しばし、お付き合いくださいませ。

まず初めに、本日ご講演を賜りました、とても魅力的で活動的な一人の女性をご紹介したいと思います。Millennium Promise Japanの立ち上げを呼びかけ現在理事長を務めていらっしゃる鈴木りえこ氏です。

Q. 発表の趣旨とは?
MPJYouthの一員としてアフリカ研修に参加する皆さんには是非支援団体である認定NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)のことを詳しく知ってもらいたいとの思いから本日こちらで発表をする機会をいただきました。

Q. 自己紹介& MPJ設立の経緯とは?
はじめましての方もいますね。簡単に自己紹介をしたいと思います。日本で一番古い女子大を卒業したのち電通総研に入社しました。男女雇用機会均等法が成立される1997年までは多くの企業で大卒の女性を雇っておらず電通総研もその一つでした。最初は英語がわかる社長秘書として雇っていただきました。その後LSEに留学し復職、退職後研究員となり国連を訪問した際にはジェフリーサックス教授と懇意になりました。

このジェフリーサックス教授が中心となり、日本の融資も合わさってMillennium Promiseが立ち上げられMDGsの目標達成のためにアフリカ各地にパイロットファームとしての村を建設していきました。コンゴから始め、最終的にはアフリカ全土80村にまで拡大しました。ちょうど08年にTICADが横浜で開催され貧困削減目標達成の機運が高まっていた時期に日本支部としてMillennium Promise Japan (MPJ)を立ち上げるように呼びかけました。

Q. MDGsの中には達成できていない項目が実は二つあります。何でしょうか? (鈴木氏)
実は、乳幼児死亡率と妊婦の死亡率の2項目がまだ達成できていません。また、その他の目標に関しても中国の経済発展に伴い中国国内の貧困層が相対的に少なくなったことが目標達成に大きく寄与したといわれています。
つまり、MDGsの多くの項目で目標達成が成果として強調されていますが、“アフリカの問題は根本的にはまだ解決されていない”というのが現状です。

もちろん日本の中にも相対的な貧困が存在し無視することはできません。実は日本はMDGsの目標を達成できていないのです。貧困率は16%程度と世界全体の120位ほどになっています。特に、母子家庭の子供の就学状況や収入状況の不安定さ、戸籍がなく学校に通えない子供の存在は徐々に知られるようになってきています。
 しかし、日本だと通信教育や夜間学校など就学の機会は“求めればそこにある”といえるでしょう。そういった基本的な機会すら欠けているのがアフリカの現状なのです。

SDGsでは“誰も取り残さない”というスローガンのもと各種目標が策定されています。MPJでは今現在、会長に渋谷健司氏をお迎えして活動を行っています。渋谷健司氏は東京大学医学部を卒業したのちハーバードで博士号を取得、WHOの感染症部門でご活躍されたのちアメリカで大学教授をされている方です。

Q. 具体的にはどのような活動なのでしょうか?
主に、ウガンダ北部の難民キャンプの支援を行っています。ウガンダの難民キャンプはUNHCRからGood Practice として紹介されています。難民には投票券以外のすべてのものが与えられるからです。例えば、50×50平米程度の土地やテントなどです。
そこで、上下水道、飲料水、トイレなど水回り関連の整備を行うだけでなく、メンタルヘルスの課題にも取り組んでいます。例えば、援助機関が主体となりコミュニティ単位で簡単な医療知識を持ち継続的に住民と関与できるCommunity Health Worker を養成するプログラムに支援をしています。
難民の中には性暴力を受けた子供などが多くいます。多くが心の問題を抱え生きています。従来、メンタルヘルスの問題は効果が測りづらく取り組みづらい問題であり、ドナー国からも物質的な支援を求めるあまり無視されがちな部分でした。
しかし、心に悩みを抱え落ち着くことのできない子供が勉強などできるでしょうか?施設などを整備するだけでなく、メンタルヘルスをできるだけ継続的に行うことも同時に重要だと感じています。そのためにMPJの活動へ理解を示してくださる皆さまからの継続的なご支援も必要です。
また、バオバブの木から抽出した保湿効果のあるオイルの製造や販売、周知なども支援をしています。製品は農薬などを用いない形ですべて現地で作っており美容にも良いとされています。しかし、農薬を使っていない安全な製品であることを証明する機関がウガンダにはないために売れないなどの問題もあります。

Q. 最後に、どうして途上国開発の分野に携わりたいと思い始めたのでしょうか?
“悩みなどなく生きてきたと思われることもあるけれど、私自身学生時代から家族や恋人など私生活でうまくいかないことがあり悩みが多かった。電通総研で働いている当時から一人一人の人生の背後にある悩みやストーリーに興味がありました。例えば、掃除のおばさんと仲良くなったりすることもありました。皆さんから見ると少し変だと感じるかもしれません。”

それではまだまだお話を聞きたいところですが、お時間が来ましたのでご講演を終わりたいと思います。皆さん、感謝の気持ちを込め改めて拍手をお願いいたします。
とても刺激的で鈴木氏ご自身の活動的で知的な人柄をうかがい知ることができるご講演でした。本日はお越しいただきありがとうございました!!

そして、この後、個別勉強会の発表というタイトなスケジュールでした(;’∀’)
今日の発表者と発表内容を簡単にご紹介いたします!(名前および敬省略)
⓵三浦
LBT(Labour Based Techonology)という地域住民の労働力を用いた地域の道路整備・維持管理の取り組みに着目し、その事業が住民の道路に対する愛着などの認識の変化や主体的な道路整備に向けた取り組みなどに結び付いていないかどうかという観点に着目しています。タンザニアではほかの多くの途上国同様、財政不足のために道路の維持管理に財源が回せていない現状があります。
“地域の道路は地域の住民が管理する”
そういったボトムアップの道路維持管理体制が道路の継続的な維持管理の策として注目されています。JICAの方にインタビューをとって現地訪問の際の住民へのインタビューをする際の質問設計の参考とし、今後も調査研究を進めていきたいと思います!
⓶本田
エスニック研究に興味があります!特に零細商人に焦点を当て彼らの生計の手段や生活により密着することで、従来社会では重要でない存在、として興味が充てられることが少なかった存在を明らかにすることで多様性への理解につなげることができればよいと思っています!
⓷赤石
スワヒリ語を先学期勉強した経験に基づきタンザニアの言語について調べてきました。特に、言語使用における権力関係に注目しています。タンザニアでは主に3種類の言語が使用されています。英語、スワヒリ語、その他地方語などです。それらの順で言語話者数が多くなっており、それに応じて言語使用においてより優劣が発生しています。言語話者が英語と比べて相対的に少ないスワヒリ語やその他地方語は、途中から生活で多くの人が使わなくなっていくなどの傾向が見られます。また、スワヒリ語内、各地方語内でも地域や所属するコミュニティに応じて微妙に言い回しなどが異なっているために、話者数に応じた優劣があるのが現状です。
今回実際に住民に対してインタビューをすることを通して、タンザニアにおける言語話者の言語使用状況の変化に関して全体的な内訳を知ることができればタンザニアにおける多様な言語が置かれている状況に対する理解につながるかもしれません。今後既往研究などもより調べていきたいと思います!
⓸梶原
子供の教育に興味があります。しかし、教育だけで子供が抱えている問題のすべてを解決することはできません。そこで、特に孤児に着目し、彼ら彼女らが抱えている問題を様々な観点から収集し教育を阻んでいる要因に関して多面的な理解を行うことができればと考えています!

以上で本日の活動報告となります!
P.S ) 研修メンバーの多くはこの後全体の勉強会の企画イベントで料理を作りながら談笑するという会に向かいました:)

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