2017/10/21 タンザニア研修事前勉強会 映画鑑賞会!

こんばんは!

投稿が遅くなってしまいましたが、10/21の勉強会では、なんと、映画鑑賞会を行いました!今まではディスカッションを前提に置き、「聞く」こと主体で進められてきた勉強会ですが、今回は「観る」ことでアフリカの問題について思考を深めました。
気になる映画についてですが、タイトルは「ダーウィンの悪夢」です。これは2004年に公開されたもので、第78回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞していますが、一方でアフリカのイメージを悪くするといった批判も当時相次いだようです。内容は、
1. ナイルパーチという大型の淡水魚(スズキの仲間)がタンザニア西端に位置するタンガニーカ湖に誰かに、何らかの理由によって放流された。
2. ナイルパーチがヴィクトリア湖に元来棲んでいた固有種を捕食し、急激に数を増やして湖の生態系を一変させた。
3. 淡白な白身で加工のしやすいナイルパーチは海外に輸出するのにうってつけで、これにより大きな利益を得る現地の企業が現れた。

ここまでは導入で、ここからは固有種の絶滅に関する続きがみられるのかと思いきや、ナイルパーチをめぐるタンザニア・ムワンザの人々の生活が主として続いていきます。例えば、ナイルパーチを捕る漁師を父に持つ子どもの自分の将来について葛藤する姿や、ムワンザの人々を描く元ストリートチルドレンの画家のジョナサン、さらにナイルパーチを本国ロシアに輸送する為に現地に滞在する輸送機のパイロットです。そんな中、画家のジョナサンが、「ナイルパーチを載せる輸送機が、アフリカの紛争地域向けの武器を行きに積んでいる」と言います。戦争経験のある警備員ラファエルはこの現状に対し「戦争があれば金になるのに…みんな戦争を望んでいるのさ。」と話し、映画が武器の問題に触れたところで映画は締めくくられました。

始めに言った「アフリカのイメージを悪くする」という批判はラファエルの言葉に対してのものではないかと考えられます。また、フーベルト・ザウパー監督の趣向もあってか、話を聞いた人々は一部に過ぎず、偏重してはいないかという批判も考えられます。

しかし事実として、一匹の魚によってタンザニアの経済が潤った反面、ストリートチルドレンたちの貧困問題や、輸送機パイロットを対象とした売春を行う女性たちがいるという事が発生しているのです。これについてタンザニアの人々が実際どう考えているか、ザウパー監督はこれを伝えたいが為にこのような手法を取ったのだろうと思います。私たちはこれをどう捉え、議論するかがこの映画を見る際に必要になります。捉え方はそれぞれですが、月並みに言えば、考えさせられる映画であったというのが総括となります。

また、人文班の発表の続きとして「タンザニアの民族」についての勉強会も開催しました!

タンザニアは人口の95%をバンツー系の黒人が占め、残りの5%をその他の人々が占めています。タンザニアは、もともと大陸部のタンガニーカ共和国と島嶼部のザンジバル革命政府が連合してできた連合共和国で、現在でもザンジバル革命政府が広範な自治権を持ってザンジバル地域を統治しているという国家なのですが、タンガニーカ側のみの統計では黒人が99%、その他の人種が1%となっているのに対して、ザンジバル側ではイスラム教徒が歴史上多いことも関係して黒人とアラブ系、さらにその混血の人々が入り乱れて居住しているという状況になっています。
このように聞くと少なくともタンガニーカ側では画一的な民族が住んでいると思われるかもしれませんが、そんなことは全くなく、ここに住むバンツー系の黒人は、約130にも分かれているとされます。その内実は、牛の飼育を民族の誇りとしているスクマ族や、木彫りの彫刻で有名なマコンデ族、サバンナの遊牧民(現在は政府により定住化政策も進められている)として有名なマサイ族など多岐にわたり、まさに多種多様な人々が住んでいるといえます。
このような状態なら、部族対立、内戦や政情不安といったことがすぐに起こる危険性もあるということを想像するのは容易でしょう。しかしながら、タンザニアでは建国以来さほど大きな民族対立は起こってきませんでした。それはなぜでしょうか。
その答えにはいくつかありますが、一つにはイギリスからの独立運動に際して、部族を超えて連帯したタンザニア国民全体での民族主義が巻き起こったということがあります。それぞれの部族をつなげたのは、スワヒリ文化という共通性でした。また、タンザニア初代大統領のニエレレの精神が生きていることもあります。彼はアフリカ独自の社会主義的政策を推進したほか、経済発展による格差拡大よりも、国民内での貧富の格差を生まないようにし、紛争の種を摘むことに心血を注ぎました。ニエレレののちもその考えはタンザニア内で受け継がれていきます。
発表ののちのディスカッションではタンザニアでの民族融和からアフリカの他国が学べることはないかということが話し合われましたが、ニエレレのような社会主義的政策を行うのは現代では難しく、また彼のような強力な政策をするには独裁者が必要となってしまう、などの意見が出て、民族融和を普遍的に行うことの難しさが感じられました。

今回の勉強会を通してタンザニアの人文分野の一角を概観し学習することができました。これ以降、さらに深めた研究をして、タンザニア研修本番をより価値のあるものにしていきたいと思います!

長々と失礼しました。読んでくださった皆さんのために少しでもなれば幸いです。ありがとうございました。次回の記事をお楽しみに!

 

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