2017/06/18 新入生勉強会 東・南部アフリカ歴史班!

アフリカというと閉ざされている、暗黒大陸、発展していない…といったマイナスなイメージが持たれがちです。このようなイメージができてしまったのはなぜなのか、本来のアフリカはどうであったのかについて、交易という観点から考察しました。また、東アフリカの交易史において重要なスワヒリ世界についても言及していきます。

 

1.交易の始まり

季節ごとに変わる偏西風のモンスーンの影響で、ダウという木造の帆船を使って、紀元前1世紀ごろから、アラビア半島と東アフリカは交流を持ち始めました。考古学的資料によると、通婚や交易がおこなわれていましたが、社会や経済はアフリカの自給自足であり、独自の文化を形成していたといえます。4~10世紀には、ササン朝や中国でつくられた陶器やビーズが発掘され、交易都市として繁栄していたことが分かります。8世紀ごろの諸島部の遺跡から、モスクが発掘されました。モスクはイスラーム化の象徴であり、8~10世紀ごろがスワヒリ世界の始まりであると言えます。現在のタンザニアの沿岸部に、キルワという都市がありました。ここは、ジンバブエの産金地域とモザンビークの海岸の間にあります。海岸に沿ったきれいで整った街並み、木造建築の家、イスラームの教えを忠実に守る信仰深い住民がいたと、アラブ人の旅行記に記されており、交易都市として繁栄していたと言えます。13世紀頃までの東アフリカは、ほかの地域と交流し、移民や外来の文化や思想などを吸収し独特の社会を形成していたと言えるでしょう。

 

キルワのモスクの跡

キルワのモスクの跡

2.スワヒリ文化圏の形成

東アフリカの歴史を語る際に欠かせない要素は「イスラームの受容」です。6世紀末から7世紀前半にかけてアラビア半島でイスラム教が誕生し、多くのイスラーム商人がダウ船を用いて東アフリカと交易を開始しました。マリンディやモンバサへのイスラーム商人の来航により、諸島部から徐々に沿岸部へとイスラーム教がひろがりました。ではなぜ土着の宗教を保持していた彼らはイスラムを受け入れたのでしょうか。理由は主に3つあります。1点目は、沿岸部の人々がイスラム教を都市的で洗練されたものとして認識していたからでした。2点目は、奴隷化の対象にされないためであり、3点目はイスラム文化圏に参入することでインド洋交易への活路を見出したからでした。ここで注目するべきことは、東アフリカ地域では貿易の円滑化のツールとしてイスラムが利用されたため一部の文化需要に留まっていたことです。アラビア語とバンツー系の言語が混ざり合ったような性格を持つスワヒリ語の形成はその代表例だと言えます。このように、東アフリカ地域の港市都市はスワヒリ文化圏の中で共通のアイデンティティを持っていました。しかし、都市同士が政治的統一へと働くことはなく、むしろ商業上のライバル関係にあり結果的にポルトガルの容易な介入を招きました。

 

現在スワヒリ語が使われている地域。昔のスワヒリ文化圏の広がりの様子がうかがえます。

現在スワヒリ語が使われている地域。昔のスワヒリ文化圏の広がりの様子がうかがえます。

3.アフリカは本当に「閉ざされた大陸」なのか?

ここからは、今なおアフリカのイメージとして残り続ける「閉ざされた大陸」って実際どうなのか。という疑問について、15世紀以降のスワヒリ世界の歴史から見てみましょう。

スワヒリ世界は、15世紀末にポルトガルの物資供給地となることでヨーロッパとのつながりをもちます。その後スワヒリ都市はポルトガルに支配されてしまいます。あー、これで交易も支配されて「閉ざされる」のか⋯⋯⋯⋯⋯。と思ったら大間違い!許可証さえあれば交易可能だったので、インド洋交易は閉ざされていないのです!しかし、安心も束の間。東アフリカのスワヒリ世界にも奴隷貿易の影が忍び寄ってくるのです。フランスやポルトガル、そしてザンジバル島に拠点を移して繫栄したオマーンという国が、労働力不足のためにどんどん人を搾取していきます。そして1884年、ドイツのビスマルクが開いたベルリン会議が列強によるアフリカの植民地支配を加速させ、スワヒリ世界は完全に支配されてしまうのです。

貿易(交易品は奴隷であるが)という観点で言うと、「閉ざされた」とは言えないかもしれません。しかし、スワヒリ世界の伝統や可能性は完全に「閉ざされていた」のです。歴史を考察してそう結論付けました。

 

中世におけるアフリカの奴隷貿易の航路。東アフリカにも複数のルートがつながっていたことが分かります。

中世におけるアフリカの奴隷貿易の航路。東アフリカにも複数のルートがつながっていたことが分かります。

感想

アフリカのことについて知識がほとんどないままに勉強会に臨んでしまったため、学んだ知識が単体としてあるだけだが、今後の勉強会で様々なことを学び、点と点を線で結んでいけるようにしたい。また、先輩や同期の勉強会やプレゼンのやり方を学んで、自分のプレゼンをより良いものにしたい。(S.N)

 

新入生勉強会に参加し、多くの先輩方からプレゼンのコツを教えて頂いたことが一番勉強になりました。具体的なデータの使い方や文献からの引用を有効に使った発表へと少しでも近づけるよう、改善していきたいです。(H.A)

 

新入生勉強会に参加して印象に残っているのは、みんながよく調べていたということです。それぞれの班の発表で非常に多くの情報を得ることが出来て、自分の視野が広がりました。今後は、アフリカについての見識を深めると同時に発信力も向上させたいです。(R.W)

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