開発援助NGOで働くということ ~ケニアで活動する日本のNGOでインターンをして〜

【開発援助NGOで働くということ~ケニアで活動する日本のNGOでインターンをして~】

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(当会が行ったJICAの事業で補修を完了した教室の様子。小学校7年生です。窓がたくさんあって風通りもよく、電灯こそ無いものの明るい教室です。)

 

「アフリカ」「開発援助」「NGO」などと聞いて、どんなことを思い浮かべますか?≪ボランティア≫といっしょに想起し、具体的には、孤児園の建設や運営、小学校への文具供与などのような画を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。今回は、私がケニアで活動する日本のNGOで現地派遣インターンとして過ごした約半年間の経験から、NGOの活動の実態の一部をお伝えします。

 

 

私がインターンをしたのは、CanDo(アフリカ地域開発市民の会)というNGOです(ホームページはコチラhttp://www.cando.or.jp/。また現在、ケニア派遣インターン生を募集しています。)。現在は、マシンガ県での外務省日本NGO連携無償資金協力(*1)、マシンガ県での草の根技術協力事業(JICA)(*2)の二つの事業を並行して進めています。これらの事業は、公立小学校の教室建設・補修を行う教育活動、保護者に野菜の種の植え方などの研修を行う環境活動、保護者・教員にエイズ研修などを行う保健活動の三分野の活動が軸となっています。

 

 

<援助の主体性>

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私が主に携わっていたのは公立小学校の教室建設・補修を行う教育分野の活動です。「援助の主体性」「草の根」などとよく言いますが、CanDoの活動でも主体となるのは保護者あるいは地域社会です。CanDoからはセメントや鉄筋などのハードウェアを供与しますが、教室建設・補修に使用する砂、レンガ、砂利の収集、建築職人の雇用、資材の管理・記録などはすべて保護者が行います。たとえば1教室の補修のために、一輪車で砂利130杯以上、砂100杯以上、レンガ約1400個を保護者が用意します。もちろん実際の作業も保護者が行います。上の写真は、保護者がセメント、砂、砂利を混ぜているところです。「CanDoの活動は大変すぎる…」という声もあるようですね…。しかし私としては「あなたたちのためにやっているのだから、やりたくないならやめます?」と、なりますね!(笑) やってもらっているわけではない。あくまで「主体的に」やってもらっているのです。保護者が主体的に事業に参加するためには、保護者に教育の大切さ、子どもにより良い教育環境を与えることの大切さを理解してもらうことが必要です。

 

 

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どれだけ教室がボロボロでも、保護者から「教室補修を当会と行いたい」との合意を得ることができなければ、教室の建設・補修事業は行いません。上の写真は、当会のベテラン現地調整員が小学校の保護者たちに向けて当会の活動理念などを熱弁しているところです。保護者と話し合いを行い、保護者が、当会と活動を行うか否かを決定します。いっしょに活動を行っていくことに関する合意形成をするための保護者会議、保護者に対して教室補修の手順や資機材の管理方法に関する研修会を実施します。

 

 

<NGOの活動=プロジェクト>

資金を外から調達して運営されるNGO。例えば外務省については、これから行いたい事業について提案書などを提出、プレゼンなどを行い、提案が通ると、資金をもらって事業を行えることになります。その提案書は「今年度は○校△教室の補修、□校▽教室の建設を行う」など、具体的な成果目標を含んでいます。できるだけ提案書に沿った成果を出せるように一年間の事業を進めていきます。もしそこで15教室の補修を行うと明記したのに、10教室しか達成できなかったらどうなるでしょう。翌年度の資金が減る、あるいは資金をもらえずに事業継続できないなどの可能性がでてくるかと思います。事業として活動を行っている以上、一定の期間内で達成しなければいけないものがあります。何を達成した、何をまだ達成していない、というような明確な進捗も求められるのです。

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(援助のビジビリティも大切ですね。教室補修・建設を完了した学校に当会から供与して教室外部に設置してもらっています。JICAのロゴをペイント職人さんにきれいに書いてもらうためにも一苦労です。)

 

 

外務省とJICAから資金をもらっているわけです。当会が行う活動、また資金運用の透明性はとても大切です。でも「透明性」ってどこからどう判断されているのでしょうか。透明性を示すための地道な業務があります…。活動について、外務省には年二回、JICAには年四回の様々な類の報告書を提出しています。資金についても、事務所に会計監査が入ったり、すべての領収書・レシートの会計処理・ドナーへの提出を行ったりしているのです。このような資金運用についての書類に不備が発見されたら…こちら側にウソをつく気がなくてもウソをついていることになりますね。「不透明」な援助となるわけです。

 

 

NGOで働くということは、≪ボランティア≫という側面はあると思いますが、みなさんが考えていたものとは少し違っていたのではないかと思います。達成目標に向けて、東京やナイロビで現場に入らずに多くの業務を行うスタッフ、彼らの膨大な事務作業や事業管理の上になりたっています。東京事務所で日々業務をしてくださっているスタッフさんたち、ケニアと日本を行き来するプロジェクト代表、ナイロビ事務所で会計事務をされているスタッフさん、ケニア人スタッフ、活動を行っていく保護者・地域住民、現場に入る日本人インターンとが協力しあって、日々必死に業務を行って事業が進んでいることを実感しました。

 

 

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最後に、上の写真がわたしのお昼定番メニュー。50ケニアシリング、大体55円くらいですね。御覧のとおり、(日本で食べるものと比べたら)残念ながらおいしくはありません。筆者、帰国後に丸亀製麺のおいしさに感動いたしました。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。また、CanDo東京事務所の皆さま、今回、記事執筆・掲載にあたり、事業に関わる写真の使用などに関してご許可いただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

(*1)事業期間は2015年3月5日~2018年3月4日

(*2)事業期間は2013年10月1日~2017年9月30日

 

 

東京外国語大学 国際社会学部アフリカ地域専攻

吉田菜摘

 

 

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