アフリカンコラム 「アフリカの宇宙開発事業」

皆さんこんにちは、東京外国語大学スズキです。

家にこもりっぱなしだったこの一年、開放感を求めて私はよく夜の公園に繰り出しました。東京案外星見えるじゃんというのがこの一年の最大の発見の一つです。アフリカは陸路だと遠いように感じるけれど宇宙から行ったらあっという間だよなぁなんて妄想もしてしまったり。

 

ということで今回のアフリカンコラムのテーマはアフリカ諸国の宇宙開発についてです。宇宙開発と一口に言っても様々な事業がありますが、アフリカ諸国がおもに取り組んでいるのは人工衛星の打ち上げです。近年では超小型衛星が開発され従来の衛星より大幅に低コストで高頻度に製造できることもアフリカ諸国の宇宙進出を促進していると考えられます。

 

まずは軽くアフリカの宇宙産業の歴史を見ていきましょう。アフリカ大陸で最初に人工衛星を保有したのはエジプトです。1998年にフランスの会社が製造した人工衛星ナイルサット101をヨーロッパの企業のロケットに乗せて打ち上げました。ソ連によって世界初の人工衛星スプートニクが打ち上げられてから約40年後、日本が初めての人工衛星おおすみを打ち上げてから約30年後のことです。翌年1999年には南アフリカがアフリカ諸国として初めて自国で人工衛星サンサットを製造し、アメリカで打ち上げられます。

 

それから約20年、現在人工衛星を打ち上げたことのある国はエジプト、南アフリカ、ナイジェリア、アルジェリア、モロッコ、アンゴラ、ガーナ、エチオピア、ケニア、ルワンダ、スーダン、モーリシャスの12カ国に増えました。ほかにもジンバブエやウガンダが宇宙事業を計画するなど、これからどんどんアフリカ諸国が宇宙産業へ参入してくると予想されます。

 

ただし人工衛星の設計、製造はほとんど外国主導で行われているのが現状です。

中国やロシア、日本などの宇宙開発機関が支援を行っています。近年の日本国内の研究機関でいうとルワンダが東京大学らと、ガーナが九州工業大学、JAXAらと提携して小型衛星の開発を行いました。また人工衛星が軌道に乗って役割を果たすためにはロケットに乗せて打ち上げなければいけないのでその打ち上げも外国の施設に委託することになります。小型衛星の場合、物資として食料と一緒に打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)から放出してもらうことも可能なようです。実際に2017年にガーナ、2018年にケニア、2019年にはルワンダとエジプトの小型衛星がISSの日本実験棟「きぼう」から放出されています。

 

では打ち上げられた人工衛星はどのような役に立っているのでしょうか。まずは通信環境の整備です。アフリカでは近年携帯電話やインタ―ネットを使ったサービスが急速に普及し地方の農村でも電波の需要があります。

 

人工衛星からの衛星画像の分析は森林の管理や密漁の監視など自然環境の保護にも役立てられています。ナイジェリアでは対テロ組織作戦に衛星データが活用される例もありました。これら衛星データの活用の可能性については2019年に横浜で開かれた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)でも言及されています。

 

こうしてアフリカにおける宇宙技術の活用に期待が高まる一方でその莫大なコストと効果については批判もあります。絶対的貧困にあえぐ人々がいる中で宇宙開発を進めるべきなのかといった意見です。超小型衛星とはいえ一基開発し打ち上げるのにも数億円規模の費用が掛かります。またそもそも社会制度が整わないうちには衛星を飛ばすことで得られた情報も活用しきれないということも指摘されています。宇宙事業の拡大とともに効果的にその技術を使えるようになるための社会整備が求められるでしょう。

 

アフリカ諸国で国立の宇宙開発機関が設立されたり、地域共同体の枠組みで衛星専門委員会が設立されたり、国連宇宙開発利用委員会(COUPUOS)への加盟国が増えたりと宇宙開発のための機関や委員会への参加も増えてきています。アフリカの宇宙市場は2024年までに100億ドル規模の市場になるという予測もあります。これからのアフリカの宇宙産業の発展に注目ですね。夜空を見上げる際にはぜひ軌道を回るアフリカ諸国の衛星に思いをはせてみてください。

 

 

〈もっと知りたい方へ〉

TICAD アフリカ宇宙フォーラム詳細

https://www.satnavi.jaxa.jp/news/2019/20190906.html

アフリカの宇宙・衛星産業の分析サイト

SPACE IN AFRICA

https://africanews.space/

 

参考文献

宙畑  https://sorabatake.jp/

JAXA https://www.jaxa.jp/

SPACE IN AFRICA https://africanews.space/

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