【ベトナム研修⑨ ILO Vietnam country office】

こんにちは。4年の釼持です。この記事を書いている今はベトナムの出国を翌日に控え、なんとなくベトナムとのお別れが寂しいような気もしています。
今回はILOへの訪問の記事を書かせていただきます!
ILOとは、International Labour Organization(国際労働機関)の略で、労働関係の問題を取り扱う国際機関です。今回はそのILOにベトナムの児童労働についてのお話をお伺いしてきました。
途上国での児童労働というと、みなさんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。日本で高校生がアルバイトをするのと何が違うのでしょうか。
まず先に“child labour”=「児童労働」に当たらない子供の経済的活動(労働)を説明します。13~15歳で、1日あたり4時間または1週間あたり20時間を超えず、かつ、ホワイトリストに載っている仕事(法律で認められている仕事)であれば、「児童労働」には当たりません。また、15~18歳で、1日あたり8時間または1週間あたり40時間を超えず、法律でhazardous workに指定されていない仕事であれば、それも「児童労働」には当たりません。全ての児童の労働が違法な「児童労働」ではないということですね。日本の高校生の短時間のアルバイトと似たような位置づけといえるでしょう。
裏を返せば、13歳未満の労働、法律で制限されている労働時間を超えた労働、法律で指定されている仕事のリストに背く仕事への従事、これらはすべて児童労働にあたるということです。
ベトナムでは児童労働に従事している子どもは、5~17歳の子どもの人口における9.6%,人数で175万人に上ります。10人に1人の子供が、児童労働に従事している。正直ベトナムに来てからベトナムの経済成長の様子を目の当たりにして途上国という認識は薄れつつあったのですが、経済成長の陰では依然として問題も残っていることを認識させられました。
児童労働の問題点として大きいのは、やはり学校に通えないこと、また危険な仕事に従事しているケースが多いことです。児童労働をしている子どもの55%は学校に出席しておらず、児童労働をしている175万人のうち131万人(約75%)が“hazardous labour(危険な仕事)”に従事している。日本の高校生のバイトとの違いもここにあるといえるでしょう。
では、児童労働はどうしたらなくしていくことができるのでしょうか。ILOの取り組みとしては、しっかりとした実態調査でデータを出すこと・政策形成の支援・法的枠組み作りの支援といったベトナム政府への支援や、啓蒙活動・関係者の能力向上支援という市民社会との連携を行っています。また、学校9年目から10年目の間でドロップアウトして働く子(日本に置き換えると中学卒業後、高校にはいかずに働く子)が多くいる実態に対して、”School to Work transition”という職業能力訓練によって、早くから働き始める子供たちへのスキルアップという支援も行っているとのことでした。
そのうえでILOの職員の方が一番懸念されていたのは児童労働の実態に対して監視が追いついていないことでした。フォーマルな雇用についてはすぐに調査を行うことができますが、途上国ではインフォーマルな労働が多いために児童労働の本当の実態はまだまだ完全に把握する状況には至れていない。いかにインフォーマルな児童労働を把握していくかが今後の課題とのことでした。
今までのベトナム研修の機関訪問で何度か指摘されてきたポイントとして、ベトナムの中央政府は問題意識をしっかり持っていて、法律・制度をある程度整えていても、地方自治体レベルにおいては職員の数・質の双方において不足があり、現場レベルでの運用が弱いということがあります。今回の児童労働についても、地方自治体による監視がそれぞれの地域ごとになされるべきですが、それは自治体ごとでまだまだばらつきがあるとのことでした。個人的な意見になりますが、インフォーマルな児童労働を監視し、なくしていくためにも必要なのは、地方自治体の能力強化であろうと感じました。

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